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2021.06.13 / ニュース
アカメガシワとアリ
植物が出す蜜といえば、真っ先に思い浮かぶのは花の蜜。五色台でも今の季節、草や木に咲く花の蜜を求めてハチやチョウなどの昆虫たちが活発に活動しています。
昆虫たちは蜜でお腹がいっぱいになり植物たちは蜜を提供するかわりに昆虫たちに自分の花粉を運んでもらうという、お互いに利益のある関係を結んでいるのですが、植物の種類によっては花だけでなく茎や葉の一部からも蜜を出すものもいて、アカメガシワもそんな植物の一種です。
アカメガシワを観察していると、葉っぱの表面を小型のアリが歩きまわっていたり葉っぱの付け根の部分でじっとしていたりするのをよく見ます。アカメガシワの葉っぱの付け根からは蜜がでており、アリはその蜜のにおいにひかれて地上から這い上ってきたというわけなのですが、この蜜、じつはごく少量しか出ていないのです。
以下、アリのつぶやき。
「せっかくここまで上がって来たのに、ちびっとしかないじゃないか!」
「こんなんじゃ物足りない!」
「しゃぁない、他の食べ物でも探すか」
で、葉っぱの表面を歩き回ってダニや昆虫の卵や幼虫などをとらえて巣に持ち帰る・・・
つまりアカメガシワが葉っぱから出す蜜は花粉を運んでもらうためのものではなく、アリに葉っぱのお掃除をしてもらうためのものなのです。たくさんの蜜を出すとアリはそれでお腹がいっぱいになってしまい葉っぱのお掃除をしてくれないかもしれないので、ほんのちょっとしか出さない・・・う~ん、なんてしたたかな!!
アカメガシワはクラフトハウスの近くにたくさんあります。木道を歩くときに少し足を止めて、葉っぱを観察してみてくださいね。