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2021.07.01 / ニュース
エゴノキの実
ビジターセンターのシンボルツリー、エゴノキ。
春には白いシャンデリアのような花をたくさんつけてくれていたのが、今はさわやかな薄緑色の実をたわわにつけています。
この実、じつはなかなかの曲者。
皮にエゴサポニンという有毒物質が含まれており、口に入れて噛んでみるとめちゃくちゃ渋い!「えぐみ」を感じるところからエゴノキと呼ばれるようになった・・・という説もうなずけます。
エゴサポニンには水に溶けると泡立つ性質があり、昔は石鹸がわりに利用されたこともあるとか。また、皮をすりつぶして池に投げこみ、毒にあたって浮かんできた魚を捕るという漁法もあったようです(現在は禁止されています)。
でも、毒のあるのは皮だけ。秋になって熟した種子はカラス、キジバト、ヒヨドリ、ヤマガラなどの野鳥たちの大好物。とくにヤマガラはひっきりになしにやって来ては実をくわえて飛び去って行きます。ヤマガラには冬に備えて食べ物を蓄えておく習性があり、土に埋められた種子のうち、冬の間に食べられなかったものが春になると芽を出します。エゴノキにとってヤマガラは子孫を増やしてくれる大事な存在でもあるわけですね。
この秋、エゴノキにどんな野鳥たちが来てくれるか、いまから楽しみです。