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2023.01.12 / ニュース

NEW【有用植物コーナー】

館内に新しいミニ展示コーナーができました。

「五色台の有用植物コーナー」です。

有用植物とは衣食住において人間生活に役立っている植物のことをいいます。分かりやすくてもっとも多い利用方法は食用ですが、食用以外にも住居、衣服の原材料や燃料、薬用として利用するなど人々は昔から植物と共に生きてきました。現在私たちの生活で使用されている薬のもとをたどれば多くは植物からきています。先人たちが長年、自らの体験を通して植物の効能を感じ取ってくれたおかげでもあります。人々の間で伝統として長年親しまれていた植物利用の知恵をこれかの時代にも残していきたいですね。

 

そんな有用植物(ビジターセンター周辺にある)を季節に沿って紹介していこうと思います。

まずは冬編としてご紹介するのは、ビワ、クズ、ハゼノキです。

展示しているのは3種類ですが今回のブログではクズについてお話していこうと思います。

 

クズとはマメ科クズ属のつる性の多年草で秋の七草の一つでもあります。繁殖力がとても強く雑草としてはびこることも多々ありますが、葉っぱ、花、ツル状の茎、根っこ、どの部分も余すことなく使用できる万能植物です。おもに食用、薬用、飼料、繊維材料として使用されてきました。

食用、薬用としては、根を煮溶かして、沈殿したものを乾燥させできるものを葛粉といい、葛湯や葛餅や水まんじゅうなどの和菓子作りに使用されてきました。葛根(かっこん)という生薬名でも取り扱われており、多くの漢方薬に配合されています。中でも風邪などの症状が出た際に飲まれる「葛根湯(かっこんとう)」がよく知られていますね。食用としても幅広く利用されていて、若葉や新芽は生のまま天ぷらや炒め物、塩茹でして和え物や酢の物として食べられます。葛の花やつぼみは、漬け物や葛の花ご飯、酵母、花酒、花酢など様々に利用されています。繊維材料としてクズの茎は、「葛布(くずふ)」という耐水性のある布にし、カーテンやバッグなどの日用品として使われているのです。葛布は軽くて通気性が良く、独特の光沢と透明感があります。

 

クズという名前には似合わないほど多くの利用方法のあるクズ。身近な植物ほどじっくり観察するとおもしろいですよ。

ちなみに今の時期葉っぱは落ちていないですが、そのかわりにかわいい冬芽が見られます!

 

 

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