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2023.04.15 / ニュース
【有用植物コーナー】キランソウ
最近の五色台は桜雨がしとしと降ったおかげで、満開だった山桜の花びらは散り、あっという間に葉桜と変わっていきました。自然の移り変わりは早いですね。そのかわりに桜と入れ違いで多くの花たちが姿を見せ始めました。
ある日の森歩き中、ふと足もとを見ると紫色のかわいらしい花を見つけました。
キランソウです。地面に這うように生えてひときわ濃い紫色をしているのがキランソウです。めずらしい植物ではなく、いわゆる雑草に分類されますが、この植物には多くの効能が含まれています。とても雑草だなんて呼べません。
乾燥させてお茶や入浴剤代わりとして利用することができ、主な効能に、高血圧、咳を鎮める、痰をのどから出しやすくする、解熱、下痢止め、胃の運動を助け消化を助ける、といったものがあります。また解毒の薬効があり、生葉のしぼり汁を切傷、火傷、あせも、虫刺されの患部に塗布します。
別名「地獄の釜の蓋(ふた)」「医者殺し」とも呼ばれていて、葉を煎じて飲むと、たいていの病の初期症状は治してしまい、放射状に広げた葉の様子を、「地獄の釜の蓋」に見立て、地獄では釜に蓋をして、病人をこの世に追い返えすのだと考えたほどです。まさに医者いらず。
そして園地付近ではクマバチをはじめ、多くの蜂や蝶がでてきました。キランソウと蜂にも素敵な関係があるみたいです!
キランソウは花の奥に蜜があり、ハナバチ類だけが花の奥に続く狭い間を通ることができ、他の虫たちは潜り込むことができません。ハナバチは同じ種類の花を区別することができるので、キランソウを狙ってきてくれます。花にとっては受粉が有利になりますね。
まさにキランソウとハナバチは良きパートナーなのです。
ビジターセンター内の植物コーナーに植物標本とともに展示しております。